紅茶雑学

「ロシアンティ―」と注文して通じるのは日本だけ!?本場ロシアでは通じない!?

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紅茶にジャムを添加、あるいは付け合せで飲むスタイルが、今日の所謂、日本人が想定する「ロシアンティー」だと言われていますが、ロシアのカフェでこのスタイルをロシアンティ―と言って注文しても、恐らくでてきません。

そもそも、紅茶+ジャム=ロシアンティーではなく、紅茶にヴァレニアor蜂蜜orレモンを付け合せる=ロシアンティ―に該当するそうです。

ジャムを添加するのはロシアではなくウクライナやポーランドと言った東欧諸国の風習、あるいは民間療法的な特別仕様なのだとか。

ちなみにイギリスでは、ヴィクトリア女王がロシアでレモンティーを振る舞われたことから、ロシアンティ―=レモンティーとされています。
ではこのヴァレニアとはなんでしょう。

ヴァレニエとは、大雑把に言えばロシア製のジャムの事ですが、通常のジャムと異なり、果肉を除去した、ほぼシロップ状態の物を指します。

紅茶が普及する以前は、このヴァレニアをお湯で溶かして飲んで暖を取る習慣がロシアの人達にはあったそうで、それが紅茶の伝来時に混ざったのが真相のようです。

また、このヴァレニアは必ずしも紅茶に混ぜ合わされる物でなく、別々に摂取しても構わないものだそうで、決まりきったスタイルがない事が、今日ロシアンティ―なる者の定義をややこしくしているのです。

ジャムを入れると言うのはあくまでもー手段でしかな、しかも例外という事ですね。
日本で「ロシアンティ―」と呼ぶのは構わないが、本場のロシアでは通用しない。

漆を外国人がジャパンと言うような現象が、紅茶の世界にも存在しているようです。
ロシアの人々は、歴史的に見ても代の紅茶好きと言われていて、例えば初めて紅茶が中国を通じてロシアに伝えられた際も、同時に伝来した緑茶は見向きもされなかったとされる逸話にも表れています。

今日のロシアンティーが成立した背景には、帝政ロシアからソ連にかけての歴史背景が大きくかかわっています。
ロシアで紅茶文化が花開いたのは、三代に亘る帝政ロシアの女帝時代でしたが、ここまでは紅茶と言う者は上流階級の高嶺の花でした。

紅茶が文化として定着するには、庶民への浸透が不可欠で、それはロシア製の湯沸かし器である「サモワール」が普及する18世紀末~19世紀初頭にかけてようやく実現したのですが、この頃、ロシアの歴史は一つに転換点を迎えます。
ロシア革命です。

革命によってソ連へと名称を変えたロシアでは、全ての食料品は配給制となり、特に紅茶の付け合せであった砂糖は、希少品という事で中々、庶民の口には入らないものでした。
そこで庶民が砂糖代替品として選んだのが、ヴァレニアや蜂蜜と言った自然の甘味料だったのです。

特にロシアでは。ベリー系の木の実が日常的に採取しやすい環境にあり、ヴァレニアは砂糖に替わる貴重な甘みでした。
つまり、本場のロシアンティ―とは、今日私たちが思い描くような甘いジャムでなく、砂糖を用いない渋めのヴァレニアを付け合せに(それでも当時に人からすれば甘味料だったのでしょうが)一杯飲むものだったようです。

なお、現在でもロシアの人々は、昨今の健康ブームの影響もあってか、砂糖のような人工甘味料よりもヴァレニアのような天然甘味料を好む傾向にあるのだそうで、紅茶に砂糖を用いない、所謂、「ロシアンティー」と呼ばれるこの形式は、これからもロシアの人たちの食文化の歴史に残って行きそうな気配をみせています。

ちなみに、ロシアと言えばウォッカに代表されるような飲酒の国のイメージがありますが、実は紅茶を多く飲んでいる地方では飲酒率が驚くほど低いのだそうで、暖を取る飲物がアルコールかノンアルコールかという違いだけのようです。
長々と書きましたが、まとめると、ロシアにロシアンティーと呼ばれるものは存在しない。

ロシアの人たちは、紅茶に、ヴァレニアや蜂蜜、レモンを付け合せることはあるが、それはロシアンティ―とは呼ばれない=ロシア普通の紅茶習慣である。

紅茶にジャムを入れるのは民間療法の類だが、東欧諸国ではジャムをつけあわせることもある。
「紅茶にジャムを入れるのは邪道である」と考えられています。

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