紅茶雑学

紅茶はお皿で飲むスタイルが主流だった!?

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kousara


紅茶を嗜む時に、お店などでは必ずと言ってよいほどカップとソーサーのセット(洋食器ではこれが普通ですが)で紅茶が出されます。
皆さんはこういうものだと理解していることでしょうが、実はこれにはちゃんと意味があったのです。
実は、紅茶は本来、カップからソーサーに移して飲むのが正しい飲み方でした。
これは、古代ローマから続く欧州式の食事がお皿を中心とした食文化だったからで、スープを含めた液体は須らくお皿に移されて口に運ばれており、紅茶においても例外ではなかったのです。
加えて紅茶は、高温で抽出するものですので、冷却も兼ねていたようで、それを表すかのように、ティーカップは早く冷めるよう口が広くなっています。
紅茶が英国で広まった19世紀頃は、みんなティーカップから一度ソーサーに移して飲んでいたようですね。
しかし、現在の私たち二はそう言う習慣はほぼ皆無です。
一体いつ頃から、このソーサーで飲むという習慣が無くなったのでしょう?
これを紐解く手がかりとして、海外ドラマ「大草原の小さな家」の原作者であるローラ・インガルス・ワイルダーが1933年に発表した「農場の少年」という小説で、登場人物たちがお茶をソーサーで飲むかカップで飲むかで意見対立する描写があります。
また、現在の英国女王であるエリザベス2世(エリザベス・アレクサンドラ・メアリー)は20代の頃に出かけた町の紅茶を嗜んだ際、ソーサーから戴いたとマスコミに語ったことがあるそうです。
この事から、少なくとも第一次世界大戦後から第二次世界大戦直前にかけて、紅茶をソーサーでなくカップで飲むと言う習慣に変わって行ったと推測できます。
それでは、何故、ソーサーからカップへと移行したのでしょう。
一番の理由は、カップにハンドル(取っ手)がついたからだと言われています。
取っ手が付いたことで、少々熱くても手持ちできるようになりました。
カップに取っ手がつくのは18世紀の終わりごろであり、紅茶が広まるより実は前です。
ですがその後も、紅茶を飲む時に人々は頑なに取っ手無しのカップ(ティーボウル)を使い続けていたようなのです。
というのも、ティーボウルを使い続けることこそが紅茶文化の嗜みであるという考えが上流階級に広まっていたようなのですね。
ところがこの伝統習慣をあっさり転換させてしまう出来事が到来します。
それが1920年代に始まった機械化による大量生産であり、安くい取っ手付きのカップが市場に多く出回るようになり、さらに同じ頃に紅茶もプランテーション化されて生産地から大量に輸入できるようになって、豊かでない庶民でも簡単にお茶が楽しめる時代が到来します。
ここでソーサーからカップへの転換が起きるのです。
庶民は、ティーボウルの習慣などありませんし、一々ソーサーに移す手間もあって、取っ手付きカップで紅茶を飲むと習慣を直ぐに行い始めます。
すると多数決の論理で、次第に紅茶を取っ手付きカップで飲むことが普通になり、やがてソーサーでは飲まなくなり、ソーサーはカップ下のインテリアと化した訳です。

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